
トレジェムバイオファーマ株式会社
歯を失うことが怖くない社会を実現する
Health Tech
Message
歯を失うことが怖くない社会の実現を目指します。
現在、⻭の治療といえば主に「削る」「⼈⼯物で代替」といったアプローチがとられますが、それは永久歯を失ってしまうと次の歯が生えないためです。弊社の技術で、この当たり前を変えたいと考えています。第一目標は、抗体による先天性無⻭症の治療薬を患者さんに早く届けることですが、ゆくゆくは、⾍⻭や⻭周病などによる後天的な⻭の⽋損も再⽣治療で解決していきたいと考えています。
今のところ歯科医療における最先端の再生医療薬は、歯周病などで失った歯槽骨を再生させる薬剤ですが、さらに歯の数を増やす歯の再生治療薬が完成したとなれば、大ニュースになると思います。ぜひそのニュースを、日本から世界へ発信したいと思います。
トレジェムバイオファーマ株式会社
代表取締役 喜早ほのか

Interview
創業のきっかけを教えてください
マウスの歯の数を増やす抗体の獲得に高橋(弊社CTO)が成功し、大学のインキュベーションプログラムに採択されたことです。
正直なところ、創薬に関する研究といえば、研究室での成果を製薬企業が事業化してくれるものだと思っていたのですが、実際はそうではありませんでした。最近でこそ、歯周病で失った骨を再生させる薬が登場しましたが、これまで歯科に特化した薬がほとんど存在していなかったのです。製薬企業からも「うちでは歯の薬はやっていない」と言われることが多く、オファーの目途は立ちませんでした。それなら、自分たちで開発するしかないと思い、起業に踏み切りました。
御社のサービスや技術の独自性や優位性はどこですか
自己組織由来の新しい歯が生えてくるという、これまでになかった、世界初の抗体の開発を進めています。これまでのところ、同じような薬の開発をしている会社はほかにはありません。人工物ではなく、自己組織由来で歯の再生が可能です。
御社のチームの強みを教えてください
歯科医師である喜早、高橋と、製薬企業出身で元大学産官学連携本部顧問の高谷の3人が共同創業者です。高橋、高谷は幅広いネットワークを有しており、特に高橋は京都大学大学院において中西重忠教授の指導の下で分子生物学を学び、その後米国に留学し、顎顔面領域の発生生物学に関する研究に従事した経歴を持ちます。高橋を中心とした国内外の歯の再生研究者の先生方とのアカデミア連携も強みです。

どういうチームづくりを心がけていますか
スピード感と柔軟性を保ちつつ、メンバーが共通のビジョンに向かって進められるよう、オープンなコミュニケーションを重視したチームづくりを心がけています。具体的には、隔週のミーティングや、リアルタイムでの情報共有ツールの活用を通じて、全員が同じ方向を向くことができるよう、環境を整えています。
御社で大切にしている価値観を教えてください
私たちは、自身の歯で咬めることによる健康寿命の延伸を追求し、世界中の人々の健康で豊かな社会の実現に貢献することを使命としています。そのために、変化を恐れず、新しいことに挑戦し続ける姿勢を大切にしています。
10年後、関連マーケットはどうなっていると思いますか。その中で御社の目指すところは
歯の再生治療薬の実用化により、関連マーケットは大きく変化します。歯を失った際の治療として、インプラントや入れ歯に加え、永久歯の次の歯を再生する治療法が確立され、予防歯科・再生医療分野がさらに成長すると考えます。また、ケアすべき歯が増えることで歯科医師の役割も拡大し、需要が高まり、加えて、製薬・バイオテクノロジー企業の参入も加速すると予測されます。弊社はこの変革をリードし、歯科医療の未来を切り拓く先駆者を目指します。
Overview

企業名 | トレジェムバイオファーマ株式会社 |
代表者名 | 代表取締役 喜早ほのか |
設立年月 | 2020年5月12日 |
事業概要 | 歯が生える薬の開発、上市を目標に起業した、京都大学発ベンチャーです。現在抗USAG-1抗体TRG035(注射薬)の第1相臨床試験中です。まずは永久歯が生えない先天性無歯症の患者さんに、最終的には永久歯を失った人にも適応拡大し、自分の歯で長く咬めるようにすることにより健康寿命の延伸を目指します。 |
URL | https://toregem.co.jp/ |