Message

私たちは、シリコンや窒化ガリウムといった既存半導体では実現できなかった領域に革新をもたらすべく、ダイヤモンド半導体を開発しています。

ダイヤモンド半導体はいかなる半導体と比べても、高温・放射線環境下でも安定的に動作し、高周波高出力、大電力性能にも優れることからも「究極の半導体」と呼ばれます。そのため40年以上に渡り研究開発がされてきましたが、誰も未だに実現に至ってませんでした。しかしながら私たちは、福島第一原発の廃炉という世界で唯一の課題を通じ、この大きな山を乗り越えて製品化の目前まで到達しております。量産化実現に向け、本年には福島第一原発がある大熊町において、世界初となるダイヤモンド半導体工場の建設に取り掛かります。

ダイヤモンド半導体はその優れた特性から、福島第一原発の廃炉計画の順行のみならず、原発の過酷事故対応や宇宙開発の更なる進展、更には次世代通信である6Gの基盤技術になり得るとも期待されています。

私たちは、福島復興を通じて得られたダイヤモンド半導体技術により、福島・日本から新たな半導体産業を生み出し、生成AIや自動運転といった次世代産業のインフラを構築する原動力となることを目指します。

大熊ダイヤモンドデバイス株式会社
代表取締役 星川 尚久

Interview

掲載写真は CFO 永井悠平 様

創業のきっかけを教えてください

福島第一原発の廃炉計画は、世界で初めてのダイヤモンド半導体の実需となりました。そのため震災翌年の2012年から、ダイヤモンド半導体の実現により国難に立ち向かうため、国内の英知を結集した国家プロジェクトが開始。来たる2021年には当時世界初のプロトタイプが出来上がりました。震災によって結集した技術を世の中に社会実装するーーそんな想いから翌22年に弊社の立ち上げに至りました。私たちは、廃炉実現だけが復興ではなく、同地から新たな産業を生み出していくことが真の意味で復興と考えてます。そのため、福島第一原発がある福島県大熊町にて、世界初となるダイヤモンド半導体工場の立ち上げを進めています。

御社のサービスや技術の独自性や優位性はどこですか

当社は、福島第一原発の廃炉実需を契機に、2012年から国内の知見を結集した国家プロジェクトで、2021年に世界初のダイヤモンド半導体プロトタイプを実現しました。廃炉という日本固有の厳しい課題に一丸となって挑んだ結果、10年以上の取り組みを経て、世界で唯一の垂直統合ノウハウを構築。それにより全体最適化を達成し、高歩留まりも実現。今後は、量産準備が整った工場建設を福島大熊町で進め、原発、宇宙、通信分野で革新的ソリューションを提供する、世界唯一の量産ノウハウを構築していきます。

御社のチームの強みを教えてください

ダイヤモンド半導体の研究者は世界でも100名いない中、当社では既に20名以上の研究員を抱えており、研究者数の観点だけでも世界トップクラスです。それに加えて当社の経営陣は、連続起業家であるCEOの星川、ダイヤモンド半導体の世界的権威であるCTOの梅沢をはじめ、創業前から6年以上に渡り事業を共にし、創業前の時点で既に信頼関係が構築できている稀有な体制となります。経営・技術両面に実績を持つ経営陣の下、多様なバックグラウンドを背負ったメンバーが連携することで、世界初のダイヤモンド半導体製品の社会実装を加速させています。

どういうチームづくりを心がけていますか

世にない製品を実装するための研究開発は一筋縄ではいかないため、失敗を歓迎し、仮説検証を繰り返し続けることが出来る環境をつくることを重視しています。そのためにも、役職や専門領域の枠に捉われないフラットなコミュニケーションを推進し、誰が言ったかではなく論理的・科学的に正しいかどうか、常に目的を重視したオープンなカルチャーを醸成。メンバー全員が「廃炉を通じて社会を変える」という大義を共有し、互いを尊重し合いながら高い目標を追い続けられる、そのようなチームとなるよう工夫しています。

御社で大切にしている価値観を教えてください

福島第一原発の廃炉から世界を変えるインフラを構築する、という使命感にも似た情熱と共に、大きなヤマを乗り越える困難を楽しめること。異見・異論を尊重し、他者にも自分にも誠実であること。その上で常に目的に立ち返り、小さな違和感を見逃さずにどんな時も行動し続け、妥協せずあと一歩を踏み出すことで、新しい道を切り拓いていくこと。そしてスタートアップとしてのスピード感と情熱を忘れず、どんな時も行動し続けること。

そういった姿勢を当社は重要視しています。

10年後、関連マーケットはどうなっていると思いますか。その中で御社の目指すところは

廃炉原発、宇宙開発、6G通信など大規模なマーケットが既に存在し、今後10年で数兆円単位に拡大すると見込まれています。高温や放射線環境下でも動作し、高周波・高出力性能を備えるダイヤモンド半導体は、こうした市場の伸びを支える核心技術となり得ます。当社は世界初となるダイヤモンド半導体の量産体制を構築することで、生成AIや自動運転といった次世代情報産業を支えるインフラとして、人類の科学の進化を牽引していきたいと考えています。

Overview

企業名大熊ダイヤモンドデバイス株式会社
代表者名代表取締役 星川 尚久
設立年月2022年3月1日
事業概要究極の半導体と言われるダイヤモンド半導体は、その耐過酷環境性能と高周波・高出力特性により、原発や宇宙、次世代通信等が抱える課題を解決するポテンシャルを有する。大熊ダイヤモンドデバイス社は、福島第一原発廃炉PJで培った世界で唯一の技術知見を基に、ダイヤモンド半導体の社会実装を目指す、北大・産総研発のスタートアップです。
URLhttps://ookuma-dd.com/#top