従来の魚の品種改良は、成長性や耐病性の改善が主な目的となっていましたが、当社の共同創業者である吉崎悟朗(東京海洋大学教授)が開発した「代理親魚技法」を用いることで、食の本質的な価値である「美味しさ」に焦点を当てた品種改良を行うことができます。また、養殖魚は農作物や畜産物と異なり、生け簀から逃亡すると容易に野生化し得るため、異なる品種を掛け合わせる「ハイブリッド化」によって、先天的に生殖能力を持たない当社独自の養殖魚を開発することで、高度な品種改良と遺伝子撹乱リスクの抑制を両立します。近年は「地球沸騰化」とも形容される海水温の上昇によって、水産業は大きな転換期を迎えています。天然魚であれば自身が好む水温の水域まで逃げられますが、養殖魚ではそうもいかず、結果的に魚病被害や魚の酸欠死が増加しているのが現状です。そこで当社が「美味しさ」、「高水温耐性」、「先天的不妊」を兼ね備えた次世代養殖魚を生み出すことで、人生を変えるほど美味しい魚によって食の感動を提供すると同時に、養殖業を人と魚の両方にとって持続可能にしていきたいと考えています。
株式会社さかなドリーム
代表取締役 CEO 細谷 俊一郎