Message
受賞企業メッセージ

ZipparとZip Infrastructure株式会社によって定時性が高い交通システムは先進国だけのものではなくなります。すると、時間通りに来る交通システムが当たり前になり、多くの人を渋滞の中の時間から解放します。

さらに都市の形も変わります。エスカレータやエレベータがなかった時代を想像してみてください。その時代には階段で移動するしかなかったわけなので、100mを超えるような高層ビルや地下40mを走る地下鉄は想像すらできなかったと思います。同じようにZipparが普及すると、革命的な変化が都市に起こります。これまで道路や車に支配されていた土地は公園や高層ビルに生まれ変わり、駅周辺に集中しているいびつな都市構造も、よりまんべんなく人が行きかう街へと変わっていきます。

また、短期間で建設できる交通システムという観点では、これまでの都市計画という考え方も変わっていくと思います。これまでは事前にここに鉄道を通し、このあたりを商業エリアにして、輸送密度がこれくらいで…という形で都市を設計していました。道路さえあれば1年で作れるZipparによって、大きい商業施設ができて混雑が発生しても、あとから交通キャパシティを簡単に増やすことができます。つまり交通という観点からは都市計画の価値が低くなっていき、好きなところに好きな施設を建てられるようになります。

代表取締役社長 須知 高匡

創業のきっかけを教えてください

元々宇宙や交通が好きで大学で宇宙エレベータを研究するサークルに入っていました。しかし、大会に出るための資金が足りず、大会運営側、ひいては大学全体の研究費すら十分ではないと知った時に、トヨタの研究費が年1兆円とかベンチャー企業が数十億円調達、といったニュースを聞いて、なんとなく会社はもうかる、もうけて研究費を捻出したい。という動機で、受託開発をする会社として創業しました。

御社のチームの強みはどこですか

弊社のチームの強みはテックベンチャーでありながら、開発から、営業まで幅広い分野の人材が社内にいることです。幅広い人材が世界をスムーズにするというビジョンを達成するために、日々切磋琢磨しつつ、努力している点が強みだと思います。

どういうチームづくりを心がけていますか

顧客のペインにあったチーム作りを心がけています。交通問題を抱える顧客のペインは様々でそのたびに社内でプロジェクトチームを組成して、課題解決に取り組むことになります。一方で技術開発側では大規模な開発に取り組んでいます。そのため、組織としては開発組織とコンサル組織を複合させるような形になり、その中でミスコミュニケーションや拠点ごとでのグループ化が起きないように取り組んでいます。

御社で一番大切にしている価値観を教えてください

一番大事というものは無いのですが3つの両立を大切にしています。
■ 挑戦と安全の両立
- 挑戦し続けるために安全を守ろう
- 挑戦、安全のために小さな失敗を沢山しよう
■ 理想と現実の両立
- 大きな目標を掲げながら、目の前の問題に向き合おう
- 先達に学びながら、未来を描こう
■ 正直さと思いやりの両立
- みんなが正直に発言できるような思いやりにあふれた場を作ろう
- 言うべきことを、恐れずに、ただし伝わるようにしっかり伝えよう
- 人にも技術にも正面から向き合おう

10年後、関連市場はどうなっていると思いますか

自走型ロープウェイを開発しているベンチャーは弊社以外にも数社いますが、その数はもっと増えると思います。また、大手企業も参入し始めて、現在の民間ロケット市場のようになっていると思います。SpaceXみたいなリーダー企業やそれを追随するBlueOrigin、RocketLab、ISTが日々研鑽しているという状況が自走型ロープウェイでも起きると確信しています。

10年後、御社はどうなっていると思いますか

東南アジアを中心にいくつかの拠点を構え、数十のZipparの建設プロジェクトを同時並行で推進していると考えています。交通システムベンチャーの成功例として、世界中から弊社みたいになりたいと目標にされる企業になっていると思います。もちろんそこまでの道のりは遠いですが、4年前に何もないところからスタートし、12人乗りモデルを走行させるところまで来た我々であれば達成できると確信しています。

Overview
事業概要

企業名Zip Infrastructure株式会社
代表者名須知 高匡
設立年月2018年7月20日
URL https://zip-infra.co.jp/index.html
事業概要弊社は、自走式ロープウエーZipparの開発を行う企業です。独自技術によって、これまでできなかったカーブや分岐を可能にしました。ロープウェイの安価さを生かしたまま、都市の道路上に作ることができ、世界中の渋滞を解消することを目標としています。