資生堂は、データ活用に本気で取り組みます。 | 24hour IT PEOPLE - Part 2  

資生堂は、データ活用に本気で取り組みます。

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2016年4月12日

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「One to One」志向で3倍の成果

 

 

― 貴社や販売店といった「内部」のデータを利用されている?

 

徳丸 もちろん内部のデータが中心ではあるのですが、現在は、「外部」のデータも利用しています。昨年より、「Yahoo! DMP」と連携しまして、外部のオーディエンスデータ活用も始めているんです。タグを管理することで、私たちが蓄積しているデータを「Yahoo! DMP」に統合していますね。

 

―「Yahoo!DMP」と連携することでどのようなことができるのでしょうか?

 

徳丸 データ分析をして、ユーザー層、いわゆるペルソナを作成します。そして、そのペルソナをプランニングに活用しています。

 

― どのようにペルソナを作るのですか?

 

徳丸  まず、自分たちが持っているデータを使って「過去に購買した人」「サイトに訪問したけど購買しなかった人」「サイトに訪問しなかった人」などいくつかのセグメントを作り、そのセグメントを元に広告を配信します。そして、その各セグメントが、「Yahoo!」上でどのような行動をしているのかを分析するんです。「このセグメントにはこんなターゲットが多くて」のような結果を次の施策に活用するわけです。

 

―内部のデータと外部のデータをうまく活用できているようですね。

 

徳丸 そうですね。外部のデータだけでも「どんな検索をしたのか」「どんな行動をしたのか」 はわかりますが、そのユーザーが「実際に購買したのか」「サイトに訪問してくれたのか」は、結局わからないわけです。ですから「私たちの持っている内部のデータ」と「外部のオーディエンス データ」を連携することで、お客様一人ひとりをより深く理解しようと進めようとしているんです。

 

― 一人ひとりを見ていくという観点で他に取り組んでいることはありますか?

 

徳丸 「One to Oneコミュニケーション」への取り組みに注力していまして、マーケティングオートメーションも導入しています。

 

吉本 マーケティングオートメーションのツールとしては、Salesforceの「Marketing Cloudを昨年の7月から利用していますね。

 

―「Marketing Cloud」を選択されたのはなぜでしょうか?

 

吉本 いくつかの理由があります。アメリカでの実績が多いこともそのひとつですが、導入を決めた大きな理由のひとつに「LINEビジネスコネクト」に早期から対応していたことが挙げられます。

 

―貴社でのLINE活用はいつから始めたのでしょうか?

 

吉本 「LINE公式アカウント」を開設したのは2012年の7月です。他社と比べてもかなり早い方だと思いますね。

 

―貴社の公式アカウントと「友だち」登録されているユーザーの数は?

 

吉本 現在は、2000万人くらいの数です。ただ、公式アカウントでは、全ユーザーに共通のメッセージしか配信できないという課題がありました。一人ひとりに合わせた情報の出し分けが出来ないんです。

 

―それを解決するために「LINEビジネスコネクト」を?

 

吉本 そうですね。やっぱり、今LINEのアクティブユーザー数って驚異的ですよね。ですから、他のコミュニケーションと同時に上手く活用していきたいと考え、ユーザーごとに情報の出し分けができる「LINEビジネスコネクト」を導入しました。

 

― そこに対応していたのが「Marketing Cloud」だったのですね。LINEとメールで開封率の差は出ていたりしますか?

 

吉本 LINEでは開封率がとれないので不明です。でも、メールと比較して効果が出た施策もあります。ECの購入をコンバージョンとしたキャンペーンをメールとLINEで打ったのですが、LINEの方が、コンバージョン率が3倍くらい高かったですね。それでもまだ、LINEの特性を活かしきれていないと思っていますので、現在使い方を模索している最中です。

 

 

散らばったデータを集約するソリューション

 

 

―先日(4月7日)発表がありました「トレジャーデータサービス」導入の経緯についてお聞かせいただけますか?

 

吉本 徳丸から申し上げた通り、私たちは「ワタシプラス」のウェブ会員データと「花椿CLUB」の会員データを収集、統合して利用しています。これは、購買などをメインとした「EC関連のデータ」と「POSデータ」を収集、統合しているということです。しかし、ここに紐付けができていないデータもたくさんあります。

 

―それはどのようなデータですか?

 

吉本 例えば「ワタシプラス」をユーザーが閲覧したデータなどが挙げられます。今までも閲覧データを収集していなかったわけではありません。データを収集し、解析までしているのですが、統合は出来ていませんでした。

 

―それはなぜでしょうか?

 

吉本 今まで使っていたデータベースは、基本的に閉じた環境にあって、「ウェブサイトを閲覧した行動データ」をそのデータベースに入れるのが難しいという問題がありました。ですから、収集したデータが偏在して、膨れ上がってしまっていたんです。

 

―一箇所にデータを集められていないという課題があったのですね。

 

吉本
 さらに、それに加えて外部のデータも統合していきたいと思っていました。そこで、いくつかのソリューションを検討し「トレジャーデータサービス」の導入を決めたんです。

 

―なぜ「トレジャーデータサービス」を選定されたのでしょうか?

 

吉本 拡張性の高さがポイントでした。他社のソリューションを選んだ方が、私たちが今やりたいことを簡単に実現できそうな気もしたんです。それでも、「トレジャーデータサービス」は様々なサービスやツールと接続が出来て、どんなデータでも自由に入れられる点が魅力でした。この拡張性の高さは、将来的に使いやすくなるだろうなと思いましたね。

 

―将来的にどのようなデータを利用していきたいと考えているのでしょうか。

 

吉本 既にいろいろ検討して、交渉を実際に進めているのが、外部の情報サイトです。化粧品に関するサイトはもちろんですが、スキンケアやライフスタイル、旅行、結婚情報に関連するサイトなどのデータですね。こういったサイトを閲覧する方のデータを、プライベートDMPのように「トレジャーデータサービス」に入れ、顧客理解を深めていきたいと考えています。

 

 

組織改革で目指すブランド戦略とは

 

 

―データの活用を進めるために、社内体制を整えているそうですね。

 

徳丸 昨年まで、この事業部のミッションはECの売上を上げることでした。今年からは、資生堂が展開している各ブランドのマーケティングをいかにサポートしていくかというのが役割となっています。

 

―ブランドのマーケティングはどのように行っているでしょうか?

 

徳丸 「ブランディングとして行うデジタルコミュニケーション」と「ECのコミュニケーション」はそれぞれ異なる部署が統括していました。

 

―オンライン上のコミュニケーションでも「デジタル」と「EC」は別だった?

 

徳丸 そうなんです。ですから、お客様に一気通貫した体験を提供できていないという課題がありました。この4月から、オンライン上のコミュニケーションは同じ部署で統括するように変更しました。「ブランディング系のデジタルコミュニケーション」と「ECのコミュニケーション」で整合性のある体験を提供していきます。また、ECの体制にブランド担当制を導入します。

 

―ブランド担当制?

 

徳丸 今までも、誰がどのブランドを担当するのかは決まっていましたが、個々のブランドの成果より全体の成果を優先する傾向がありました。これからはブランド担当がそれぞれのブランドEC戦略に則り、ブランドごとに最適な打ち手を企画・実行していきます。「ブランドコミュニケーションの統括」も、「ブランドEC担当制の導入」も、各ブランドを基点としたときに、お客さまに整合性がある体験を提供していきたいと思っての変更ですね。

 

 

ポイントは「One to One」の加速?

 

 

―貴社は業界内でも率先してデータ活用に取り組んでいますが、どこが強みなのでしょうか?

 

吉本 やはり、「リアル店舗とウェブが連動した会員組織」を持っていることは私たちの大きな強みですね。「ワタシプラス」のような会員組織を持っているところはまだありません。また、フットワークが軽いところも私たちの強みだと思います。

 

―フットワークが軽い?

 

吉本 化粧品業界では、まだまだクラウドの活用が進んでいません。自社内にオンプレミスで構築したシステムを、昔から使い続けているところがほとんどではないでしょうか。現在、どの業界でも扱うデータの量が急速に増えていると思います。クラウド型のソリューションを上手く活用して、データの分析、活用ができる体制を作ることが重要だと思いますね。

 

徳丸 データって、貯めるだけでは意味がありませんよね。私たちも貯めるデータの質と量を高めようと、今回の「トレジャーデータサービス」導入を含めて動いています。でも、これはあくまでスタート地点に立っただけです。活用を進めなければ意味がありません。

 

―今後どのようにデータを活用されていくのでしょうか?

 

徳丸 「One to One」コミュニケーションのさらなる加速に活用していきたいと思っています。お客様をデータから読み取って理解して、お客様それぞれに合わせたコミュニケーションに落としこむ。さらに、施策を打ちっぱなしにするのではなく、その成果を分析することが必要です。何が良かったのか、何が悪かったのかをきっちり理解した上で、どんどんPDCAを回せるようにすれば、資生堂全体のレベルが底上げできるのではないかと思っています。

 

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