資生堂は、データ活用に本気で取り組みます。 | 24hour IT PEOPLE  

資生堂は、データ活用に本気で取り組みます。

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2016年4月12日

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大手化粧品メーカーの資生堂が、更なるデータの活用に乗り出している。同社は業界におけるデータ活用の先駆け的存在で、2016年4月には「トレジャーデータサービス」の導入を発表するなど、その取り組みの加速度は増す一方だ。
資生堂のデータ施策を語る上で外せないのが、同社が提供するウェブサービス「ワタシプラス」である。「ワタシプラス」は、単なるECサイトではなく、「資生堂の商品やブランドとお客様を結びつけるプラットフォーム」だという。そこで、「ワタシプラス」を中心とした同社のデータ活用に関して、ダイレクトマーケティング部Web推進室の徳丸健太郎氏、吉本健二氏に話を伺った。


tokuma_01徳丸 健太郎 資生堂ジャパン株式会社ダイレクトマーケティング部Web推進室長。1992年、資生堂へ入社。営業、マーケティングなどの担当後、事業戦略部門で「ワタシプラス」の原型を発案。

 

 

yosimo吉本 健二 資生堂ジャパン株式会社ダイレクトマーケティング部Web推進室。ランカスター大学大学院卒。ネットイヤーグループ株式会社などでの勤務を経て、2012年4月、資生堂に入社。


 

 

資生堂が抱えていたコミュニケーションの課題

 

 

―初めに、徳丸さんの足跡を教えてください。

 

徳丸 私は新卒で資生堂に入社しまして、そのままずっと資生堂で働いています。当時は、新人のキャリアは必ず営業から始まりましたので、まず、8年間営業を経験しました。次に、ブランドのマーケティングを担当し、その後、国内事業全体の戦略を立案する部門に異動しました。そこで、現在私たちが提供している「ワタシプラス」というウェブサービスにつながる原型を、様々なメンバーと考えていましたね。

 

―吉本さんはいつ資生堂に参画されたのでしょうか。

 

吉本 2012年の4月に資生堂に入社しました。私は大学院卒業後、小さなリサーチ会社に入社しまして、その後、ウェブの制作やコンサルティングを行っている会社に転職しました。そこでは、調査分析を主に行っていました。資生堂に入社後も、主に「ワタシプラス」の分析を担当しています。

 

―「ワタシプラス」は、どのようなウェブサービスですか?

 

徳丸 「ワタシプラス」は、「次世代ビューティーソリューションサービス」をコンセプトに開発されました。商品・美容情報が中心であった資生堂の公式サイトに、「EC機能」「店舗検索機能」「Webカウンセリング機能」などのデジタルソリューションを加えることで、お客さまの美容に関する課題解決をワンストップで実現したいと考えました。

 

―「ワタシプラス」の原型を構想していたのはいつごろなのでしょうか?

 

徳丸 構想をはじめたのは2009年頃ですね。その後、実際に「ワタシプラス」がローンチしたのは2012年の4月のことです。

 

―「ワタシプラス」構想が生まれた背景を教えていただけますか?

 

徳丸 当時、私たちは「お客様に価値を直接届ける場所が少なくなってきた」という課題を抱えていました。その問題を解決する手段のひとつとして考え出したのが「ワタシプラス」というウェブサービスでした。

 

―抱えていた課題について詳しく教えてください。

 

徳丸 その前に、まず私たちのビジネスモデルを説明させてください。資生堂化粧品は商品をオープンに販売しているわけではありません。私たちの理念を共有してもらえる得意先様と直接契約し、取引をするビジネスモデルを展開しています。この形はある時期まではとても機能しました。日本全国の有力な小売店さまと関係をつくり接点を増やす、そしてそこで行うカウンセリング販売を通じて資生堂化粧品の価値を伝えることで、お客様をどんどん増やしていけたのです。

 

―顧客が商品と接する場として、まず契約販売店があるのですね。

 

徳丸 資生堂には「花椿CLUB」という会員組織があります。メーカーが創設した組織で最も古いもののひとつだと思いますが、70年以上の歴史を持っています。「メーカーと販売店で一緒にお客様作りをしよう」という理念のもとに始まった組織で、ピーク時には1000万人を超える会員がいたんです。

 

―会員はどう募集していたのですか?

 

徳丸 販売店でメンバー登録していただいています。しかし、この「花椿CLUB」の運営もある時期から販売店に任せっぱなしにしていた面が少なからずありました。

 

―その時期、メーカーとしては顧客とどのようにコミュニケーションを?

 

徳丸 私たちは、マスを中心としたプロモーションに注力していました。このプロモーション戦略と現場がうまく噛み合い、売上が伸びていったんです。ところが、だんだんとマス広告の効果が薄くなっていきました。

 

―その要因はなんでしょうか?

 

徳丸 やはり、インターネットが急速に普及した影響が大きいと思います。「マスが効かなくなる」ということは、私たちにとって「お客様に商品やブランドの価値を伝える場が少なくなる」ことを意味します。これが先程お話した資生堂の課題でした。この課題を解決する手段のひとつとして「ワタシプラス」の構想が生まれ、その構想を実現すべく、新たにダイレクトマーケティング部が設立されました。そして、2012年4月の「ワタシプラス」リリースに至ります。

 

 

70年続く会員組織をさらに活用したい

 

 

― それでは「ワタシプラス」は単なるECサイトではないのですね。

 

徳丸 私たちは、現在「ワタシプラス」を「資生堂とお客様を結びつけ、お客様に価値を届けるデジタルプラットフォーム」と位置付けています。開発当初から、単純にECを行うわけではなく「リアルとウェブの連携」をテーマにしておりました。私個人としては、様々なデータを統合した大きなCRM(顧客管理システム)を築き上げるイメージでしたね。

 

― どのようなデータを統合されているのでしょうか。

 

徳丸 「オフラインとオンラインの統合」をしていることが「ワタシプラス」の特徴ですね。オフラインは先に述べた「花椿CLUB」の会員、オンラインは「ワタシプラス」の会員です。「ワタシプラス」には現在260万人の会員がいるのですが、そのうち「花椿CLUB」の会員でもあるお客様は、IDを統合しているんです。

 

―統合することでどんなメリットがありますか?

 

徳丸 今まで見えていなかった「ウェブ上での行動履歴」と「店舗での購買履歴」を結びつけて可視化できました。これは、非常に価値があると考えています。

 

―マス広告とは逆の仕掛けですよね。

 

徳丸 そうですね。全ての人に一律に情報を届けるのではなく、お客様一人ひとりを理解した上で、最適な情報を届けることができる体制が整いつつあると思います。そこで得られた成果を、私たちからマーケティング部門にフィードバックすることで、全社的なマーケティングレベルの底上げになるのではないかと取り組んでいるところです。

 

―開発の段階で苦労されたことがあれば教えてください。

 

徳丸 システムを作るという点でももちろん大変なことはあったのですが、オフラインとの連携をするための、ビジネス上の調整には特に時間がかかりましたね。POSデータなども収集しますから、販売店や営業まで含める必要があり、制度作りには時間を費やしました。

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