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アプリって、簡単に作れますか?

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2017年1月19日

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O2O ,Yappli ,アプリマーケティング ,アプリ市場 ,オムニチャネル ,デジタルマーケティング ,ファストメディア ,プッシュ通知 

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早い企業はもう始めてる!?2017年大注目のアプリマーケティング最前線vol.1

顧客行動の中心がスマートフォンとなった現在、アプリはマーケティング施策に欠かせないものとなりつつある。すでに多くの企業がアプリマーケティングに参入する中、いまだ躊躇している企業も少なくはない。

アプリって何ができるんだっけ?何のために作るんだっけ?

そんな素朴な疑問をアプリマーケティングの最前線からひもといていくのが、この連載。アプリを使ってビジネスを成長させるためのヒントを、アプリマーケティングのプレーヤーとなる企業にインタビューした。

 


庵原保文3庵原 保文 ファストメディア株式会社代表取締役。出版社を経てヤフー株式会社にてメディア系サービスの企画職として従事。その後、シティバンクのマーケティングマネージャーを経て、2013年4月にファストメディア株式会社を創業。


 

アプリって、簡単に作れますか?

「Yappli」はウェブ上の管理画面からドラッグアンドドロップで利用機能を選択し、画像データをアップロードしていくことで、一切のプログラミングを必要とせずに誰でも手軽に高品質なアプリ(iOS/Android)が作れてしまうサービスだ。WEBサイトでいうところのWordPressのように、アプリを制作して、運用するためのCMS(コンテンツマネジメントシステム)である。
現在までに200社を越える企業に導入され、「niko and…」や「MOUSSY」などの20代女性の支持を集める人気アパレルブランドから、ロレアルジャパンなどの消費財メーカー、関東学院大学といった教育機関など、幅広い業種業態のアプリ制作ニーズに応えている。
このサービスを提供するファストメディア株式会社の代表取締役である庵原保文氏に話を伺った。

 

管理画面でアプリを作る!?

− まず、庵原さんの足跡を教えて下さい。

もともとは出版業界で編集者をしていたんですが、革新的な技術で日々世間を賑やかせていたIT業界の盛り上がりに惹かれてヤフーに入社し、ビジネスサイドで企画職をやっていました。その後、シティバンクに転職したんですが、会社員をしながらヤフー時代の同僚と「Yappli」の開発を続け、軌道に乗ったタイミングでファストメディアを創業しました。

 

− 会社員をしながらとはすごいですね。そもそも、なぜ「Yappli」をやろうと思ったのですか?

ヤフー時代の2010年頃、のちに共に創業することになったCTOの佐野と一緒に趣味で有料アプリを作ってみたところ、数千件ほどダウンロードされたことがありました。その噂を聞きつけた知り合いが何人かいて、アプリ制作の相談を受けることがあったのですが、みんなが相談してくるアプリは同じような要件を必要としていたんです。それぞれを個別に作るのではなく、管理画面から機能を選んで作るようなことができれば楽なんじゃないか、という思いに至ったのがアイデアの原型です。

 

− ブログやECサイトを管理画面から操作して作れるサービスもありますよね。

そうです。当時、そういうアプリ制作をサポートするサービスがないかを調べてみたんですが、目ぼしいサービスはありませんでした。自分たちで独立してスタートアップしたいという想いを持っていたこともあり、このタイミングで「Yappli」の開発に踏み切り、2013年に正式にリリースしました。

 

今までの1/10のコストでアプリ立ち上げを実現


− では、「Yappli」の特徴を簡単にご紹介いただけますか。

一言で言うと、アプリをものすごく簡単に作れるサ−ビスです。ブラウザ上で管理画面から機能やデザインを選ぶだけで、1日あれば誰でも簡単にアプリを作れます。もちろんプログラミングなどの専門知識は一切必要ありません。

 

− アプリへの参入ハードルが一気に下がりますね。

アプリ開発というと時間と労力とお金が掛かるものというのが一般的な認識ですよね。開発ベンダーに外注すると、開発費に数千万円掛かかるようなことや、運用開始まで数ヶ月を要することも当たり前ですが、「Yappli」ですと、1/10ほどのコスト、かつ、すぐにアプリの立ち上げが実現できます。実際の導入にあたっては月額制で数万円から利用できます。

管理画面は、アプリ制作に慣れていない人でも簡単にわかるUIとなっており、現場でもすぐに運用していくことが可能だ

管理画面は、アプリ制作に慣れていない人でも簡単にわかるUIとなっており、現場でもすぐに運用していくことが可能だ

 

− アプリの立ち上げをお手伝いした後は?

「Yappli」では、ページ替え、プッシュ通知、クーポン発行などの機能があり、運用開始直後から現場レベルでそれらを簡単に扱えるのですが、その点もお客様にはご好評をいただいています。開発ベンダーや自社のIT部門に頼らずにアプリの運用ができるので余分な手間も掛かりません。現場担当者が自分たちで施策のPDCAサイクルを回すことができます。

 

− アプリは立ち上げて終わりでなく、そこからがスタートですよね。

その通りです。とはいえ、アプリ運用に慣れていないお客様もいますので、社内にカスタマーサクセスという部署を立ち上げ、お客様の日々の運用をしっかりサポートする体制構築にも注力しています。

 

顧客をロイヤルユーザーに育てる最適なツール

− 現在の導入状況をお伺いしてもよろしいですか?

おかげさまで、2016年10月末現在、200社以上の企業に導入していただいています。業態では小売、業界でいうとアパレルのお客様が圧倒的に多いですね。

 

− それは何か特別な理由があるのですか?

アプリの持つ性質がアパレルブランドと非常に相性が良いんです。自分の好みのブランドがあれば、それを自分の身近なところに置いておきたいモチベーションが働くわけですが、いつも持ち歩くスマホでそれができてしまうわけです。ブランド側にとっても、ウェブとは別のチャネルでユーザーとの接点を持てるといったメリットがあります。

 

− なるほど。両者の利害が一致していますね。

小売業態にとってのアプリは顧客をロイヤルユーザーに育てるツールとしてまさに最適なんです。「Yappli」導入企業の実績ベースでいうと、プッシュ通知の開封率はメルマガの平均3倍以上の数値が出ています。ウェブと比べても、一人当たりのページ閲覧数はもとより、クーポンの利用率やECの一人当たりの売上寄与度も総じてアプリの方が高いです。

 

− それは良いこと尽くしですね。

そうですね。新規のユーザーを獲得するという視点に立つと流入経路を多く持っているウェブでの施策が重要ですが、その一方で、アプリによるユーザーの囲い込み施策は、スマホ端末やOSの進化とともに飛躍的に向上しています。今後、企業はビジネスを展開していく中で、自分たちのファンを増やすことを考える上ではアプリの重要性は無視できなくなっていくと思います。

 

− そうなると、企業はアプリマーケティングにどのように向き合えば良いでしょうか?

まずはアプリでどういったユーザー体験が提供できるかをもっと知ることです。アプリはウェブサイトの情報閲覧や、プッシュ通知やクーポン発行による販促活動だけでなく、スマホ端末のGPS機能などと連動した今までにないキャンペーン施策を実施することも可能です。我々の立場としても、プッシュ通知といった単純な機能であってもビジネスに有用であることをより分かりやすく啓蒙していく必要があると考えています。

 

アプリ中心の時代がやってくる


− 今後のアプリの市場の動向はどう見ていますか?

アプリの市場は間違いなく今後も伸びていきます。象徴的な出来事として「ポケモンGO」が挙げられますよね。世界中を驚かす大ヒットがアプリから生まれたわけです。アプリのエコシステムの中で、ARの技術を活かした素晴らしいユーザー体験を提供することで、何千何万という規模の人々を動かしてしまいました。まさにアプリの時代にふさわしいマイルストーンでしたし、今後、IoT化やVR/AR化の波がやってくる中でも、アプリは間違いなく中心的な役割を果たしていくと確信しています。

 

− 「ポケモンGO」の出来事は誰もが身近に感じられますね。

「ポケモンGO」もそうですが、今まではゲームやSNSを中心に、コミュニケーション、ニュース、カメラといった領域のアプリが市場を牽引しながらユーザーに新しい体験を提供してきました。ただ、これからは非ゲーム分野のアプリも伸びて行くでしょうし、そういう意味ではアパレルや飲食業界などが運営するアプリにもユーザーの裾野がどんどん広がっていくことになると思います。

 

− そういう流れは実際に見られていますか?

去年の時点ではアプリなんかまだ早いよと言っていたお客様が今年に入ってからアプリを採用している例が出てきています。スマホシフトが進んでいることの表れだと思います。マーケッター自身や企業の意思決定者もアプリというものを体験する機会が増えているのでしょうね。「Yappli」の引き合いは去年と比べると5倍に増えていますし、日に日にお客様の反応が良くなっている印象を持っています。

 

− それは素晴らしいですね。ぜひ「Yappli」の今後の展望を教えていただけますか。

まずはご評価いただけているアパレルを中心に小売業態のお客様にもっと「Yappli」のことを知っていただき、アプリだからこそ実現できるユーザー体験を提供することで各社のマーケティング活動のお手伝いができればと思います。中長期的には海外展開も考えていますし、社内従業員向けに社内ポータルアプリなど、今までの使い方とは一味違った新しいアプリの活用法も広く提案していきたいですね。

 


伊藤哲弥

著者プロフィール:伊藤哲弥

スマートフォン黎明期の2011年よりアプリマーケティングに従事。株式会社マインドパレットでは、写真共有アプリ「Snapeee」のリリース当初から1000万ユーザー獲得までを牽引。2016年、健康管理アプリ「JouleLife」をリリースしたウエルネスデータ株式会社に参画し、O2O展開やコンテンツ連携などの事業開発とともにアプリマーケティング全般を指揮する。