リード(見込み客)を把握し、次の施策を打つための「マーケティングオートメーション」が日本でも大きな盛り上がりを見せている。しかし、ひとくちに「マーケティングオートメーション」と言っても、それぞれ異なる特性を持つ様々なツールがあり、またそのツールを使いこなすリテラシーが求められる側面もある。
10月6日にリリースされた「Dentsu.io(電通アイオー)」は、この状況を打破すべく、電通を中心とした5社が協業したサービスだ。同サービスは、特別な技術力もいらず、「ワンストップでアウトプットまでできる」ことで注目を集めている。そこで、「Dentsu.io」に携わった5名による座談会を開催。様々な話を伺った。 [sponsored]
山崎 茂樹 株式会社電通 統合データ・ソリューションセンターテクニカル・ディレクター。ヤフー株式会社などの勤務を経て、2012年に電通に入社。トレジャーデータユーザー会会長。
五島 淳 株式会社電通 マーケティングソリューション局チーフ・プランナー。2010年、電通に入社。デジタル・BI領域を中心としたマーケティング戦略のプランニングを中心に幅広く活動中。
山本 覚 データアーティスト株式会社代表取締役社長。東京大学大学院物理学専攻修士課程卒業。WHOジュネーブ本部での講演やワールドビジネスサテライトなどメディアへの出演経験も。
小林 康之 トレジャーデータ株式会社ソリューションアーキテクト。 2007年千葉大学卒業後 、シ ンプレクス株式会社、株式会社フリークアウトにて勤務。2015年、トレジャーデータに入社。
簗島 亮次 株式会社インティメート・マージャー 代表 取締役社長。2010年、慶応義 塾大学大学院 政策・メディア研究科を主席で卒業 。グリー株式会社にて最年少のマネー ジャーとして6部署をマネジメント。2013年に現職に就任
マス広告を引っ張る電通がマーケティングツール?
―まず、このプロジェクトを牽引された電通の山崎さんに伺います「Dentsu.io」とはどのようなサービスなのでしょうか?
山崎 「Dentsu.io」は「円滑で高速にマーケティング・コミュニケーションを行えるように支援する、データ解析プラットフォーム」です。
「電通が保有しているデータ」や「クライアントが保有しているデータ」を活用し、「PDCAの高速化」を実現することで、「データを持っているけど上手く活用できていないクライアント」のマーケティング活動を支援していきます。
―リリースされたのはいつですか?
山崎 まず、昨年の11月に「第一弾」として、この「Dentsu.io」を発表いたしました。この時には、トレジャーデータさんとクラスメソッドさんと協業しています。
―協業にいたった経緯は?
山崎 トレジャーデータのCTO(最高技術責任者)である太田さんのご活躍を以前から知っていたんです。私は、ヤフーに長年勤務しておりまして、データソリューションを担当していました。ビッグデータと呼ばれる領域ですね。ビックデータの技術とし「Hadoop」というオープンソースプロジェクトが当時から有名だったのですが、その「Hadoop」を日本で牽引されていたのが太田さんだったのです。
―以前からご存知だったのですね。
山崎 その後、私は電通に入社したのですが、トレジャーデータの方がご挨拶に来てくれたので、話をしていくうちにどんどん親しくなりました。トレジャーデータさんは、私たちが持っていない「開発力・技術力」をお持ちで、私たちは「セールス・マーケティング」には自信があります。ですから「お互いの強みを活かして上手くシナジー効果を生み出せるのではないか」と協業にいたりました。
―クラスメソッドさんとの協業についてもお聞かせください。
小林 クラスメソッドさんとは、私たちトレジャーデータと元々お付き合いがありました。私たちは、データの収集・保管・分析が簡単に行えるクラウド型データマネジメントサービスを提供している会社です。この「Dentsu.io」でも、例えば「お客様がお持ちの購買データ」「ウェブの閲覧データ」「アプリのログデータ」「センサーデータ」など、「様々なデータをお客様が利用しやすい形で収集・保管・分析する役割」を担っています。
しかし、私たちはS(Iシステムインテグレーター)の会社が行うような業務は行っていません。ですから、お客様個別の環境にあわせてシステムを構築したり、コンサルティングしたりする役割をクラスメソッドさんにフォローしていただいているイメージです。
―「第一弾」ではどのようなことができたのでしょうか?
山崎 トレジャーデータさん、クラスメソッドさんと協業することで「クライアントが保有しているデータ」や「電通が持っているデータ」を分析できる基盤が構築できました。また、このデータを可視化しレポーティングするサービスも行いました。しかし、「第一弾」では「PDCAサイクルを高速に回すためのインフラとして必要な機能」を兼ね備えてはいましたが、「施策をワンストップで提供する」にはいたりませんでした。
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