エリー株式会社

「蚕」で食料不足を解決

FoodTech

エリー株式会社

梶栗隆弘

当社が開発する「シルクフード」は昆虫の蚕を原料としています。蚕は約6000年続く養蚕業の中で人類が進化させてきた、最も家畜化された動物です。運動能力が低く、飼育が容易、省スペースで大量飼育が可能という特徴を持っています。当社はこの蚕の環境効率と栄養価、そして味を改良していくことで、次世代のタンパク質源となる完全食用昆虫が創造できると考えています。そして、その普及を通じて世界の食料不足問題や食料生産における環境負荷といった地球社会問題の解決を目指します。
人類の「食」への探求心、それにより積み重ねられてきた現代の多様で豊かな食文化は非常に尊いものです。目指すべきは、何かを食べない、食べられない世界ではなく、これまでの食文化が保全され、さらに発展した世界です。シルクフードによりそれを実現していきます。

事業概要

企業名 エリー株式会社
代表者名 梶栗隆弘
設立年月 2017年6月 ※当事業開始は2018年6月
事業概要

昆虫の「蚕」を原料とした次世代食品「シルクフード」の研究開発を行っています。「蚕」は生産における環境・経済性が優れるだけでなく、必須アミノ酸が豊富で、60種類の栄養素、さらに多くの健康機能性成分を含み、有用な代替タンパク質です。当社はこれまで絹用の養蚕動物であった蚕を「おいしい」「健康」「使いやすい」次世代の食品にリノベートし、世界中に普及させることで将来の食料不足問題の解決を実現します。


https://www.ellieinc.co.jp
御社のチームの強みはどこですか?

シルクフードを普及させるために必要な能力(食品開発、デザイン、経営/ファイナンス戦略等)を持ったメンバーが揃っていることです。また研究面では日本を代表する食品及び蚕の研究者とネットワークが構築できていること、加えてオープンイノベーションにて大手企業複数社との協業体制が整っていることです。

代表取締役/梶栗隆弘

御社で一番大切にしている価値観はなんですか?

「良いモノを創る」ことです。
昆虫食はまだ未成熟の市場です。これまで受容性が低かった食品であるため、研究開発の先行事例がなく、ともすれば、完成度が低く食べられないようなものができることも多々あります。それでも試行錯誤を何度も繰り返し、知見を蓄え、より良いモノにすべく少しずつ改良を重ねてきました。これほど本格的に蚕の食品研究、開発を進めた例は世界的にも存在しないと自負しています。妥協せずに良いモノを創りたい。全メンバーがこの想いを持って研究開発に取り組んでいます。

代表取締役/梶栗隆弘

2030年には世界はどうなっていると思いますか?

2030年はタンパク質の需給バランスが逆転し、世界的なタンパク質不足問題が発生する(タンパク質危機)と予測されている年です。しかし、今、当社をはじめ多くのフードテック企業がこの問題の解決すべく取組みを進めています。昆虫、植物肉、人工培養肉など様々な分野の代替タンパク質が誕生しており、2030年はそれらの浸透により、安定的なタンパク質供給が実現できているはずです。今より企業数は絞られるでしょうが、各分野で有力なプレイヤーが存在感を示している、そんな世界になっていると考えます。昆虫食分野では当然、当社エリーが中心となっています。

代表取締役/梶栗隆弘

CHANGER一覧に戻る