この数年、「ビッグデータの活用」が叫ばれはじめ、2014年は、様々な企業の「ビッグデータにまつわる話題」が飛び交った。しかし、異なる切り口からデータをとらえたサービスも早くも登場している。
それがトライアックス株式会社がリリースした「SATORI」だ。このサービスは、「ディープデータ」を利用してユーザーとコミュニケーションをとるためのものだという。トライアックス代表取締役の植山浩介氏と、同社のプロダクト事業部長であり「SATORI」の開発を牽引した太田祐一氏に話を伺った。 [sponsored]
太田 祐一 トライアックス株式会社 プロダクト事業部 事業部長。2007年証券会社に入社 。その後独立し 、DMP (データマネジメントプラットフォーム)の開発に携わる。 2014年秋より現職。
植山 浩介 トライアックス株式会社代表取締役。2003年、東京大学情報理工学系研究科修士 課程終了後 、トライアックス株式会社を設立。ほぼ毎週末、海へ出るほどのサーフィン好き。
ドクターばかりが集まる会社
― まず、植山社長の経歴を教えていただけますか?
植山 大学を卒業した直後 、2003年にこのトライアックスを起業しました。
― なぜ起業の道を?
植山 私の先輩に博士過程を修了している優秀な方が結構いたんです。でも「教授の枠」が空かないと受け皿が無くて、40歳を超えても「ポスドク」の方がざらにいるわけです。
― もったいない、ですね。
植山 もっとビジネス的にも社会的にも評価 されるべき人たちで。「そういう博士たちが集 まる会社があればいいな」と起業したんです。実際、設立から3年くらいの社員は、博士ばっかりでしたね(笑)
―現在はどのくらいの規模ですか?
植山 正社員が30名です。
―太田さんの入社はいつ頃ですか?
太田 植山とは共通の知人がいて、1年前くらいから面識があったのですが、
合流したのは昨年の10月です。つい最近ですね。
「本当に便利な情報が生まれるデータとは
―「SATORI」は「ディープデータ」を使ったツールだと伺ったのですが、そもそも「ディープデータ」とはなんですか?
植山 「ディープデータ」というのは、その人の「属性や趣味嗜好を、深く長く蓄積したデータ」です。私事なのですが、最近子供が生まれまして「家族で行けるオススメの和食」を友人に聞いてみたんです。その友人は「神楽坂のとある個室の居酒屋」を紹介してくれて、それが良かったんですよ。
―ご友人は植山さんの情報をたくさん知っているから?
植山 「友人がオススメする店」って信用できるじゃないですか。それは友人が「植山の究極のパーソナルデータ」つまり「ディープデータ」を知っているからなんです。
―その「ディープデータ」を使った「SATORI」の概要を教えてください。
植山 企業が「あらゆる顧客の行動履歴・趣味嗜好」を蓄積して「より長く、より深いデータ」を獲得することで、「顧客から信頼されるサービスを提供することを目指したツール」が「SATORI」なんです。機能としては「企業と消費者のオンラインコミュニケーション」に特化したツールとなっています。
―なぜ「オンラインコミュニケーション」に特化されたのでしょうか?
植山 今、ものすごい数のコミュニケーションが、インターネット上に移動してきていますよね。スマートフォンやタブレット端末も普及して、TwitterやFacebookをはじめとするSNSが当たり前のものになったり。
―その流れに対応できていない企業もまだまだ多いですね。
植山 でも、企業は「オンラインコミュニケーション」を無視するわけにはいかない、活用しなければいけない。だから、「ワンストップで消費者とコミュニケーションがとれるプラットフォーム」を提供したいと思ったんです。
太田 最近、データに関する注目が飛躍的に高まっています。でも、上手くデータを使えているのかといったら、案外そうでもなくて。ウェブに広告を打ったり、CRMシステムを使ってみたり、SNSで広報してみたり。Facebookページに「いいね!」は集まるけど、商品の売上にはつながらない。つまり、多くの企業が「これをやれば売上があがる」と考えているわけではなくて「とりあえずいろいろ試している」状況だと思うんですよ。
―根拠がなく手探りで。
太田 そこを「こんな人に、こういうメッセージを送ると、こうなるだろう」と「データに基づいて明確にして、簡単にマネージメントできるもの」があれば、皆さんに喜んでもらえるんじゃないかと思ったんです。
植山 ウェブ広告・ウェブサイト・メールなど「顧客とのコミュニケーション」を一元管理するので「SATORI」は「コミュニケーションマネージメントプラットフォーム」と呼んでいます。
「問合わせ」をしてくれなくても
―開発を牽引された太田さんにお伺いします。いただいた資料(P3図)を拝見すると「3つのフェーズ」があるようですがそれぞれ具体的に教えてください。
太田 まず「、問合せ前」ですが、ここでは「見えないお客様を見える化」します。例えば、ある人があるサイトに訪問したとします。その人はサイト内の様々なコンテンツを見て、興味は持ってくれている。でも「問合せ」はしてくれない。そういった人が、「どんなコンテンツを見ていたのか」を把握できるんです。
―その後はどうするのでしょうか?
太田 把握したデータを使って「その人へ最適化した広告を出し分け」できます。そうして「再度の訪問」を促すんです。
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