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アプリって、どうやって改善したらいいですか?

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2017年2月15日

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早い企業はもう始めてる!?2017年大注目のアプリマーケティング最前線vol.3

アプリはスマホ端末にダウンロードされてからがスタートだ。しかし、アプリストアに公開されるアプリのほとんどは、残念ながらユーザーが定着することなく幕引きとなる。アプリ事業者にとってはこの壁を乗り越えることが成功への条件となる。
「Repro」は、アプリのデータ分析による課題発見からマーケティング施策まで実行可能な、アプリの継続率や収益化の向上を支援するグロースハックツールだ。ユーザーの実際のアプリの操作を、管理画面上から動画で見ることができるため、なぜコンバージョンしないのか、なぜ離脱したのか、といった従来であれば仮説で導き出していたユーザー行動を「見る」ことができ、アプリ改善に有効な次の一手を打ちやすくなる。アプリのグロースのために重要なことは何か、「Repro」を提供するRepro株式会社のCEOである平田祐介氏に話を伺った。

 


【平田祐介】
Repro株式会社CEO。大学卒業後、2年間の海外生活を経験。帰国後に外資系の経営コンサルティングファームに入社。その後、2回の起業経験を経て、2014年4月にRepro株式会社を創業。


 

アプリ事業者を幸せにするツール

– まずは平田さんの経歴を教えて下さい。

大学卒業後は2年間ほどバックパッカーをしながら海外を周りました。帰国後に経営コンサルティングファームで力をつけたところで、、6年前にソーシャルコマースの領域で起業しました。その事業は上手くいかなかったのですが、次に手掛けたアパレルのEコマースでは最低限の結果を残せたので、さらに大きな挑戦をするためにReproを創業しました。

 

− まさに起業家人生ですね。「Repro」の立ち上げのきっかけや経緯をお伺いしてもよろしいですか?

先ほどお話したアパレルのEコマース時代に遡るのですが、事業の立ち上げ当初にサービスが全く軌道に乗らずに絶望していた時期がありました(笑)。その時、知り合いからアドバイスを受けてWebサイト内のユーザーの動きをトラッキングできるツールを導入したところ、それが転機となって数カ月後には累計黒字化を達成できました。ユーザーの動き方を分析してサービスを作り込むことによって逆境を乗り越えることができたんです。

 

− そのツールに救われた経験が大きかったんですね。

そうです。当時、Webからスマホへのシフトが起きていたのですが、アプリのユーザー行動をトラッキングできるサービスにも間違いなくニーズが出てくるだろうし、何より自分と同じような境遇に陥るアプリ事業者を幸せにすることができると思い、2014年に創業しました。

 

 

商品を購入しなかった人の「購入しない理由」を導き出す

− では、「Repro」の特徴をご紹介いただけますか?

簡単に言うと、「Repro」はスマホアプリの課題発見から解決方法までをワンストップで行うことができるサービスです。アプリを公開した事業者が次に考えることは、まずはユーザーを定着させること、そしてマネタイズに貢献するユーザーの割合を増やすことの2つですが、「Repro」はそれら両方の難題を解決するサービスです。

 

− アプリ事業者の課題にストレートに応えるサービスですね。

もちろん一筋縄で解決できるようなものではないので、今では3つのサービスを統合する形で提供しています。1つ目は定性的な分析で、ユーザーがアプリをどう使っているのかを動画でトラッキングできる機能。2つ目は定量的な分析で、アプリの起動回数やページアクセスを解析できる機能。3つ目はマーケティング領域で、セグメントされたユーザーに対してPUSH通知の配信やポップアップ表示などのアプリマーケティングができる機能です。

 

 

− サービスの拡張にはどういう背景があったのですか?

初めはユーザーの行動を動画で分析できる機能を作ったわけですが、一部の方々には受け入れられたものの、なかなかサービスをスケールさせることができませんでした。単にその動画を見ただけでは、ユーザーがどういう心理状況でその操作をしているのかというのが見えづらかったんです。そこで、アクセス解析機能を実装して連動させることでその課題をクリアしました。

 

− 具体的にはどういうことができるようになったのですか?

アクセス解析機能を活用することで、ある特定のアクションを行ったユーザー行動の動画だけを任意に抽出できるようにし、そのユーザーの前後の状況を動画分析できるようにしたんです。ECアプリを例に説明すると、カートに商品を入れたのに購入まで至らなかったユーザーだけを抽出すれば、決済プロセスでどういう情報を入力するのを躊躇しているか、ということまで容易に分かるようになるわけです。購入しなかった人の「購入しない理由」が分かるので、何をどう改善すれば商品購入に繋がるかが自ずと見えてきますよね。

 

− なるほど。アクセス解析と動画分析が補完し合っていますね。

ここまでくるとアプリマーケティングも簡単にできるようになります。ページフローの中で特定アクションごとにユーザーを選別することができるので、カートに商品を入れたのに購買しなかった人に向けてPUSH通知を送信することや、そのユーザーがアプリに戻ってきた時にクーポンを見せることなんかもできてしまうわけです。クーポンを全ユーザーに配布してしまうと、定価で購入してくれるユーザーに対し ても値引きを行ってしまうため、結果的に売上高・利益額ともに下げてしまう可能性があ りますが、reproを使うことで購入を躊躇しているユーザーだけに施策を展開し、売上高・ 利益額とも向上させることができます。

 

− 非常に明快ですね。ちなみに、ユーザーのトラッキング動画はどのように撮っているのですか?

実は、映像として撮影しているわけではなく、ユーザー端末の操作画面のスクリーンショットを細切れに撮影し、それをコマ送りで見えるようにしています。パスワードやクレジットカード情報などのプライバシーデータが気になるかと思いますが、そうした情報は「Repro」のサーバーに送られてくる前にアプリ側で塗り潰し処理をしていますので、実際に「Repro」を利用するクライアントにユーザーの個人情報が見えてしまうことはありません。利用規約上もクリアにしています。

 

非IT企業がアプリを上手く活用できる3つのパターン

− では、現在の導入状況をお伺いできますか?

現状、世界28カ国で3,000以上のアプリにご利用いただいています。日本と海外のユーザー比率は9:1といったところです。導入にあたっては、アプリにSDKを組み込んでいただきますのでシステム開発は伴いますが、通常1日あれば実装は終わります。動作テストまで含めて慎重に進めたとしても長くて1週間といったところです。

 

− どういった事業者がご利用になられていますか?

アプリ内において課金や購入などの意思決定プロセスが生じるアプリを運営されている事業者が多いです。アプリのジャンルでいうと、EC、サブスクリプション型のニュース・雑誌アプリ、物件、アルバイト、中古車など、モノを検索して比較するアプリを運営されている事業者によく導入いただいています。あとはゲーム会社にもご利用いただく機会が増えていますね。

 

− ユーザーもスマホでの課金には慣れてきていますし、今後さらに需要が高まってきそうですね。
それで言うと、これからのフェーズは非ITの大企業がアプリを活用し始める動きが活発になると感じています。実際にそうした企業からのお問い合わせもいくつかあって相談ベースからのお話し合いを始めています。

 

どのような相談が多いのでしょうか?

そもそもどういうアプリを作ったら良いのかという部分からのご相談ですね。非IT企業がアプリをうまく活用できているパターンは大きく分けて3つあると考えています。本業の事業に対して、プリセールスチャネルとしての機能にするのか、セールスチャネルとしての機能にするのか、それともCRMチャネルとしての機能にするのか、この3つのどれか1つですという話をお伝えしています。

 

– 興味深い話ですね。どういうことかもう少し詳しくお伺いできますか?

本業に対するリードを獲得するためのチャネルとしての機能を持たせるのか、本業が小売やメーカーならそれをアプリ内で売るという目的にするのか、もしくは既存のお客様に対してCRMとしての機能を持つのかです。この3つから逸脱してしまうと、上手くいく会社はほとんどないと考えています。すでに痛い目にあった会社さんもいらっしゃると思いますが、今の話を踏まえたうえで再挑戦してもらいたいですね。

 

自分に必要で興味のある情報だけが届く世界

– では、アプリマーケティング全般についていうと、企業は今後どう取り組んでいくべきだと考えていますか?

人の手元には常にスマホがあるのが一般的になってきていますが、アプリはプッシュ型のコミュニケーションができるというのが何よりも素晴らしいですよね。企業側もアプリのチャネルが決め手になるというのはもう理解されているはずですし、アプリを活用したCRMで本業のマーケティングチャネルとのシナジーを生み出していくことが重要になってくると考えています。

 

– アプリをどう活用するかで今までのマーケティングもかなり変わりますよね。

リアル店舗やWeb上の購買データをアプリの行動データと紐付けるような動きも見られていますので、企業が新商品を出す時に、アプリではその告知に興味を持つユーザーだけを切り出してお知らせするといったことは早々にできるようになるはずです。本当に自分に必要で興味のある情報だけが届くという世界がやってくるでしょうね。

 

– そうした中で「Repro」の今後の展望をお聞かせ下さい。

プロダクトの方向性でいうとアドテクの分野にも深く関わっていきたいと考えています。「Repro」を導入しているアプリであればユーザーのオーディエンスデータが取得できますので、例えば、FacebookやTwitterに広告出稿する場合、まさにそのアプリを利用しているユーザーに似た人にターゲティングして広告配信することが可能です。このように、ユーザーが本当に使いたいと思えるアプリと出会える機会をさらに広げていきたいと思っています。あとは、グローバルで勝負していきたいです。「Repro」をグローバルに育て上げていくことで、後に続く次世代の起業家にも勇気を与えられるような存在になりたいですね。

 


伊藤哲弥

著者プロフィール:伊藤哲弥

スマートフォン黎明期の2011年よりアプリマーケティングに従事。株式会社マインドパレットでは、写真共有アプリ「Snapeee」のリリース当初から1000万ユーザー獲得までを牽引。2016年、健康管理アプリ「JouleLife」をリリースしたウエルネスデータ株式会社に参画し、O2O展開やコンテンツ連携などの事業開発とともにアプリマーケティング全般を指揮する。