M&A業界に新風を吹かせているWebサービスがある。2017年12月にローンチしたBIZVAL。案件創出が難しいM&A業界にあって、ローンチ後3ヶ月で12件もの成約を生み出したという。彼らの提供するサービスの特徴は、次の3点に集約される。すなわち、売却サイドとM&Aアドバイザー、そして買収サイドのプラットフォーマーであること。独自開発したアルゴリズムによる「1分価値診断」機能を有していること。そして企業価値を最大化するフルサポートシステムだ。
本稿前半では、なぜBIZVALが躍進を果たしているか、オンラインとオフラインを信頼でつなげる手法について、株式会社BIZVAL 代表取締役 中田 隆三 氏と、同社ファウンダーで取締役を務める、株式会社アイキューブ 代表取締役 麹池 貴彦 氏に話を聞いた。後半では、企画から3ヶ月という驚異的なスピードでビルドアップを果たしたBIZVALの背景にあるスタートアップスタジオの仕組みと、先進的な働き方、組織体系について。昨今取り沙汰されるキーワード「ティール」を実践しようとする組織論には、これからの働き方を考える上での大きなヒントがあった。取材場所はWeWork丸の内北口、聞き手はStory Design houseの細越 一平。
売却側の満足を追求し、3ヶ月で12件の成約!
− 2017年12月にローンチ後、3ヶ月で12件の成約が生まれているそうですね。
中田 12件の成約って、実は異常な数字なんですよ。M&A業界は案件を開拓すること自体が難しい世界なんです。例え大手企業のネームバリューがあっても月に1件から2件を獲得できるかどうかの世界で。どの業者もロングリストを作成したり、地道に電話営業からはじめるほかないのが現状です。
BIZVALは「1分でわかる! 企業価値診断」をうたったWebサイトを全面に押し出して、Facebookでの告知や、オンラインセミナーの開催を行っているだけです。
− 顧客になる企業はどういうステージにあるのでしょうか?
中田 事業承継を考えている会社が多いですね。
− 事業承継をしたいと思っている会社の背景には、ポジティブもネガティブもありますか?
中田 両方ありますね。ただ、どちらかと言うと、最初はネガティブです。そこからポジティブに変わっていって案件化したというケースが多いですね。 売却って、潜在的に考えていてもなかなか人に相談できませんよね。でも、価値を数字で認識すると決意が固まりやすくなる。それが、ここ数ヶ月動いてみて感じていることです。
ちなみにBIZVALのビジネスモデルは、売却側のオーナーさまに費用は発生しません。買収する側の会社から紹介料をいただきます。利益相反取引は絶対にしないスタンスです。
− 取引の透明性が確保されているということですね。
中田 私どもは、売却する側の満足だけを考えます。流れとしては、Webサイトで企業価値判断後、興味を持っていただいた企業を訪問し、企業価値を最大化するためのアドバイスを行います。ここまで全て無料です。
12件の成約というファクトは、現状のBIZVALがお客さまにご満足いただいているという証左だと思っています。
無料、1分でわかる事業価値診断
− 事業価値診断を行うアルゴリズムの開発に、どれほどの期間がかかりましたか?
中田 それが、最初のプロトをローンチしたタイミングなので1.5か月ほどです。
− それからいじっていないと。かなり精度の高いものができたということですか?
中田 知り合いの会社に使ってもらうと「だいたいこれくらいだよね」という納得感のある金額が出る。
麹池 「予想通りの金額だった」とか。
− ちなみにデジタルで「事業の価値を診断します」というサービスに、現状競合はいますか?
中田 そういうアプローチの会社は一切ないですね。
麹池 もちろん、オフラインでは「100万円とか200万円でやります」という会社はあります。
これまでのM&Aサービスって、事業価値が分かるまでに、まず費用と時間がかかります。例えば100万円や200万円で1か月くらいの時間をかけて、自社の事業価値がようやく分かると。そこをBIZVALは完全無料、1分で行います。ここがユニークで面白いところです。ただし、独自のアルゴリズムに基いて算出するので、金額の裏付けはそのタイミングでは出てきません。一方お金と時間をかければ、その分金額に納得感のある裏付けが出てくるかもしれませんよね。 この3ヶ月で証明できたのは、その納得感よりも、「直ぐにわかる」「気軽にわかる」という方の価値が高いということだと思っています。事実圧倒的にパイプラインが伸びている。まさにコロンブスの卵ですよね。
M&Aのプロセスを変える「200社以上の知見」
中田 「BIZVALのWebサイトで事業価値を試算して、現実を目の当たりにすると人は動く」という当初の仮説どおりでした。価値を見ると「疲れたから」とか、「事業承継を考えている」という本音を聞くことができます。
− この仮説を出すまでに、役立った経験や知見はありましたか?
麹池 中田のこれまでの経験から仮説のようなイメージはあったと思うけど当初は言語化されていなくて。ディスカッションしていく中で「あ! これって価値として成り立ちそうだよね」と。それを形にしたんです。
中田 私は2006年から2010年にかけて、M&Aアドバイザーとして200社以上を見てきました。ただ当時のデータなので陳腐化の不安はあったんです。ですが、言語化してみたりビジネス環境を改めて調べてみると、プレイヤーはほとんど変わっていないことが分かりました。業界が変わらないならオーナーさまのニーズも変わっていないんじゃないかと思って。
オーナーさまは価値をすぐに知りたい。これまでお会いしてきたオーナーさまの顔ややり取りを思いだすと、二言目には「価値は?」って聞いてくる。それが大きなヒントになりました。
一方既存の業者に依頼すると間延びしてしまう。私どもが訪問した企業のうち7割くらいには、大手のM&A仲介会社が関与した形跡がありました。つまり、そういった会社はまず「着手金を払わないと何もできません」と言う。「うちお金ないですよ」「払わないならやりません」といって帰っちゃう。だから「もう、うちは売れないのかな」と思っていたと。そういう企業が潜在的にたくさんあります。
− そういったネガティブキャンペーンは、旧来型のM&A業界では往々にしてあったと。
中田 そうですね。今もあります。
麹池 今までのM&Aのプロセスをガラっと変えたよね。オーナーさまには「売れるのかな?」という期待や売れたあとの不安や恐れがあり、さらに相談を気軽にできる人もいないと。意を決して相談してみたら「早く売らないと、他の会社がどんどん買っていっちゃうよ」と不安を煽られて着手金を払い、やっと自分の会社の価値を知るために動き出せる。でもまだそのタイミングで価値は分からない。
その点でBIZVALは、最初から価値が分かりますと。提示された金額に「なんでこんな金額になるんですか」と、興味が湧いて問い合わせて、中田が登場してリスク含めてきちんと説明する。そういうことをひとつずつ丁寧にしていくと、「企業価値をこれだけ高めて売却できますよ」とアドバイスができるようになります。
KPIは「あなたの会社に任せたい」
中田 最近私は、「信用から信頼」という言葉を大切にしています。
「Webの力」「売却側から紹介料をもらわない価値提供ポイント」「企業価値を最大化する知見のフル活用」。これらによって、BIZVALはオーナーさまの「信用から信頼」に変わるスピードが早いんですね。
遅くなる原因は「本当にこの人たちに任せていいのかな」と思われてしまうことなんです。私がオーナーさまと会う回数は、アドバイザリーパートナーに紹介するまでに平均2.5回くらいです。これは圧倒的に少ない。私は、3回お会いして「任せるよ」と言ってもらえなければ決まらないと思っています。
一般的にいわれる「負債が重たい」とか、全然問題にならないんですよ。金融機関の与信みたいな見方だと売れないんです。例えば「一度、事業のここを止めることによって、この1年を我慢すると、企業価値がこれだけ上がりますよ」とアドバイスをすることもあります。訪問する際、資料は必ず10枚くらい、しっかりと作り込んで持って行きます。その時点で企業分析も全部済んでいるものをお見せするので、社長はビックリするんです。
KPIは「あなたの会社に任せたい」と言ってもらえるかどうかということです。もちろん、BIZVALでは公平を期すために、私たちと売却側が直接取引を行うのではなく、BIZVALに登録しているアドバイザーの中から選んでもらっています。こうすることで案件の契約数が増えているんです。
− あくまでもBIZVALはプラットフォーマーであると。
中田 そうです。我々はお客さまの生の声を知っていて、プラットフォームがあり、サービスは無料で提供しています。そこから案件に繋げ、成約に結び付けていくという力があります。
登録側のアドバイザーも全員面談しています。その人がそれまで売却側か買収側か、どちらかの立場だけで仕事してきた人だけがアドバイザーとして登録いただいてます。その点の目利きも行っています。信頼の育み方から、大切にしないといけないと考えています。
− BIZVALのいちばん重要な接点として「Webサイトで気楽に価値判断ができる」入り口があり、その時点から継続して信頼を育むことができている。
中田 そこが、オンラインとオフラインを組み合わせたサービスの特徴だと思います。
− 無料でそこまでやってくれる。お金はとらない、企業価値は出してくれる、納得してBIZVALにお願いしたいと言ったら「いやいや僕らはやらないんで」。オーナーさまからすると「なにしにきたんだと」(笑)。
麹池 「ボランティアなのコレ?」みたいな(笑)。
中田 おまけに、売れないと思っていたものが売れるという。ビックリしますよね。
麹池 ビックリすると思う。
中田 単なる売却ではなく、資本参加していただくことでどうしたら企業価値が上がるのか。そのための資金調達だというのが私が思っていることです。「お金これだけ調達するからこれだけのことができます」じゃなくて、本当の企業価値を理解して支援をすることが大切なんだ、というのがバリュープロポジションなんですよ。
先日は「会社を売るの13社目なんだよ」という方もいらっしゃって。
− まさにシリアルアントレプレナーですね。
中田 その方は「会社を売るのに知り合いもいるし、売却の手法も知っているんだけど、面白そうなサービスだから任せてみたい」といってBIZVALを評価した上でご利用くださいました。
企画から3ヶ月半でサービスインのスピード感
− BIZVAL開発の経緯について教えてください。
中田 2017月の8月頭に麹池から電話がかかってきまして。「M&AのWebサービスって興味ない? できる?」と。私は来るもの拒まずなので「できますよ、やりかたによれば」って答えたんです。翌朝1時間くらいディスカッションした内容が、BIZVALのプロトとなる企画でした。
当時の私は、てっきり麹池が代表取締役を務めている総合コンサルティングファームのアイキューブで行う事業だと思い込んでいたんですね。アイキューブの中で、私のようなフリーランスに任せて運用していくものなんだと。
9月になると毎週の定例会議が始まりました。アジェンダは私が作りました。チームメンバーは徐々に増えて7名。私のほか、麹池、マーケティング担当者、プロジェクト進行担当者、開発者、デザイナー、ビジネスデベロップメント支援の担当者です。
そして10月にはサービスが完成しました。
麹池 もちろん機能が乗った状態です。
中田 当時の状況といえば、私はコンサルティング案件に9割、1割がBIZVAL事業に注力していた状態で。とはいえ、Webサイトをもう少し進化させたい思いが強くて。10月13日にプロトをローンチした後に、M&Aのリスクとか、より詳しく価値が分かるよっていうのを追加で実装したのが12月7日。これが現段階の最終ローンチです。実質3か月半でサービスインしました。
新しい働き方の結果、BIZVALが生まれた
− それまでの中田さんの経歴を教えていただけますか?
中田 麹池と出会う前、実は私は燃え尽きていまして。2014年から16年の4月まである会社のIPO支援をしていて、結論からいうとIPOできなかったんです。IPO承認直前まで頑張っていたのですが、結局、私の時では力及ばず。私は管理本部長だったので「責任をとるべきだ」と自分の最初の会社の時の同期に後を託して、会社を辞め、それから1ヵ月半くらいは何もやる気にならなかったですね。横浜の本牧に釣りをする堤防があるんですけど、そこに毎日のように釣り糸垂らしに行ってました。
そろそろなにか始めなければと考えた時、ちょうどフリーランスの募集があったんです。以前にIPO支援を行っていた会社と同じドメインの案件で、その募集をしていたのが麹池のアイキューブだったんです。その後フリーランスとして、案件ベースでお仕事をさせていただいて。
麹池 面接した時の印象が強く残っているんです。面接したその日のうちに「議事要旨まとめ」といったファイルが送られてきて。話し合われた内容だけでなく前向きな意見がびっしり書いてあって。
中田 その後、「もしよければ案件ごとではなく、アイキューブとして手伝ってもらえないか」と。アイキューブにとっても初めての試みで、フリーランスに対して、何かの案件に縛らず稼働も柔軟に調整していいよという働き方でした。自由なんですよね。自分の能力をさらに引き出せる働き方だな、先進的だなと感じていました。
麹池 アイキューブとして新しい働き方を認めたのは、中田に対してが初めてです。「この人だったらこういう働き方ができる」と思ったんです。そこから、同じタイプの働き方をするメンバーが増えました。
とはいえ他の人たちはアイキューブ社内業務のアウトソーシングがメインなんですが、中田にはクライアントワークも全部含めて、その時その時で案件に縛られずにやってもらうと。その働き方が突き進んで、ついにフリーランスというか、外部の人間である中田に出資して新しい事業を立ち上げた、という結果がBIZVALなんです。
中田 それ以前に、私は社長の経験はなかったんです。2012年からフリーランスになったときも事業パートナーがいたので、代表は彼に任せていました。どちらかと言うと自分は参謀として会社を支援することの方をDNA的に育んできまして、「社長や代表はやりたくない」って思いもありました。ストレッチできないかなと思って捨ててきた分野だったので。
そういう意味では、実はM&Aも捨ててきた部分だったんですよ。どちらかと言えば私は管理会計のような財務面の強みを求められることが多かったものですから。
「餅は餅屋」ではないですが、得意分野として鍛えていた部分がBIZVALではレバレッジをきかせて大きくジャンプできた。
人材リソースの適切な配置がスタートアップを加速する
中田 BIZVALには「この人たちとやってみたいな」と思えるメンバーが集まっています。
麹池 少ない人員で、かつバーチャルな働き方をしている人もいるけれど、とても良い組織作りができて来ていると思っています。例えば、今BIZVALのマーケティングをしている女性も実はフリーランスで、60%稼働で契約して、アイキューブ関連のマーケティングや広報業務は全て任せています。そしてやり方は一任し、予算も必要な分出す。例えばBIZVALが忙しい時はBIZVALに回ってもらって、落ち着いている時は別のことに注力してもらったりですね。同じような働き方の人が経営企画に1人、バックオフィスの法務、規約の人もそうです。
中田 チームアップでどういう人を配置したら動くのかを見抜いている。だからとてつもないスピード感でサービスをローンチできるんだと思います。
先週も、飛行機の中で新しいサービスのロジックを組んで、ミーティングで報告しようとしたらその場に開発会社が既に参加することになっていて驚きました。
麹池 デザイン会社とね(笑)。今週末やりますって言ってたからね。じゃあ呼んどこうと。
中田 案件環境も、リソースもそうだし。これこそ、意図してないけどやりたいと潜在的に思っていることを引き出してくれる、まさに「スタートアップスタジオ」です。私は、そのスタジオに乗るフラッグシップになりたい、なるなら1番最初になりたいと思っています。
組織特有の成長を楽しみたい
− ところでこのWeWorkはいい場所ですね。お聞きしたところによると、中田さんが入居を決めたことを麹池さんは知らなかったとか。
中田 そうなんですよ。知らなかったことが麹池はだいぶショックだったみたいで。(笑)
麹池 ショックだったけど、すごく面白かった(笑)。「ティール組織」(フレデリック・ラルー著)を最近読んで。組織の最新進化型をティールと呼ぶんだけど、それは生命体として捉えられたりもするのね。興味深かったのが、たとえある組織を自分が作りだしたとしても、生まれた赤ん坊がどう動くか分からないように、組織もどう動くかはわからないと。独特の進化や成長を楽しむ視点がないと、ティール組織は無理だなと思って。もしかしたら「BIZVALってティール組織かもしれない」(笑)。
中田 われわれのスタートアップスタジオが産み落とす組織は、ティールのように進化していくのが面白いんじゃないかって。
麹池 今のところ、面白い方向に転がってきていると思っています。 「ティール組織」にはすごく心に残った学びが2つあって。1つ目は「人を問題として見る見方と、可能性として見る見方がある」というもの。部下とのコミュニケーションでも、問題点を指摘して「どこどこがダメだ」というフィードバックをするのではなくて、良いところを見出して「それを伸ばしていこうね」と。その良いところが翻って組織にどんな影響を与えるのかを一緒に考えようというスタンスで、組織を作るべきだというもの。言うは易しだけどとても重要だと思いました。
2つ目は「恐れは恐れを生み、信頼は信頼を育む」って。いい言葉だなと思った。問題としてみると恐れのフィードバックが恐れを生んで、その恐れがあるから不安気なことが返ってきてお互いに恐れが増幅してしまうと。でも先に信頼を与えれば、もしくは相手が信頼をもらっていると感じることができれば、それに対して信頼で返してもらえる。
既存のM&Aの業界では、先に恐怖を与えてしまうことが多いですよね。結果、恐れの中で経営者はお金を払わざるを得ず、ゆえにうまくいかないケースは多いと思うんですよね。その点でBIZVALは先に価値を提供し、信頼をいただいたうえで話を進めていくと。今はそれがうまくできている。組織にも事業にも通ずるところがありますね。
企業価値の最大化をデジタルで実現する
− 今後の展望について教えてください。
中田 私たちの描くスタートアップスタジオは、スピード感が著しく早いです。チームで危機感や仮説、世の中の動きのディスカッションをしていると、すぐにビジネスモデルが進化するんです。
「ビジネスモデルはその延長線上にはない。常に違うキャンパスに描かれる」という言葉が最近印象に残っています。
麹池 今できることの延長というよりは、可能性を見出してそこに一緒に向かっていけるともっと面白い事ができるはずですよね。それが事業でもできていて、例えばオーナーさまとのコミュニケーションもうまく取れている。信頼をベースに可能性を見ている。もちろんリスク管理もするんだけど、事業本来のバリューと、ポテンシャルを見て。
中田 BIZVALの目的は「企業価値の最大化」です。その過程で様々な資金調達の支援もできるはずだと。今はどちらかというとマチュアで成熟期、衰退期にあるような会社に対してのサービスになっていますが、資金調達を考えているスタートアップ企業に対しても、すべからく価値試算ってできるはずだと考えています。
むしろ、そのフェアバリューってものすごくぶれます。ボラタイルだからこそぶれる訳です。それに対してデータを分析・解析して一定のロジックを組むと、シード、シリーズA、B、Cというものに対しての企業価値を出せなくはないんですよ。データはかなりの量になるとは思いますが、それをやろうと。
麹池 やりたいね。スタートアップの資金調達であっても、戦略的なイグジット、バイアウトであっても、どちらでもBIZVALの対象となりえると思っています。例えば「一社一社単独ではここまでの価値しか出せそうにないけれども、この会社とこの会社を一緒にすればここまで高まる」というアッパーの部分をきちんと見極めて、そのためにきちんとM&Aを成立させていく。
我々はそれをデジタルで実現したい。こことここをくっついたり、あるいはここにバイアウトしたらこれだけの価値がでそうだと、将来性、可能性の部分に目を向けて、価値試算であったりM&Aのアドバイザリーサービスをする。
− BIZVALは事業承継、そしてシリアルアントレプレナーのみならず、スタートアップまでも対象としていくと。
麹池 企業のライフサイクルの「立ち上げ」から「成長」「衰退」まで、包括的にカバーできるように。
中田 それが絵空事ではない時代が来ていると思います。
中田 隆三(右):株式会社BIZVAL 代表取締役社長。中央青山監査法人(現 あらた監査法人)に入所後、オリックス株式会社投資銀行本部入社。出向先にてM&Aのアドバイザリー業務を中堅・中小企業の売却側、大手上場企業・中堅企業の買収側いずれかの立場から支援、従事。その後、アクセンチュア株式会社を経て独立。IPO支援、M&A活用による買収戦略立案・実行と、成長戦略の一環としての買収側の立場としてもM&Aに従事。2018年より現職。
麹池 貴彦(左):株式会社BIZVAL 取締役/株式会社アイキューブ 代表取締役社長。アクセンチュア株式会社にてSCM領域のコンサルティングに従事した後2004年に独立。アイキューブでは主に一部上場企業の戦略立案や業務改革のコンサルティングxサービスを提供。2017年度より同社にてスタートアップスタジオモデルによる新規事業立上を開始、次世代がワクワクして行きていける社会を実現するために日々事業開発に邁進中。